やさしい笑顔でいてほしいから

認知症の母と楽しくて悲しくもある記録

94歳のおばあさんが骨折して人生が変わってしまった話

寒い冬の夜、ひだり大腿骨頸部骨折しました

認知症になり10年程になりますが、おとなしくて人に迷惑をかけないだろうと思っていたのでひとり暮らしを続けてきてしまいました

 

寂しかったよね。

つらい思いしていてもそれを忘れてしまうから

私には伝えられなかったよね。

 

1月22日夜、家のこたつから出てトイレに行こうと立ち上がり転倒した?

動けなかったわけで。

 

なんでそれがわかったかと言うと、見守りカメラをつけていたから。

 

犬や猫などのペットのお留守番の様子を見たり、子供の様子を見たりするために設置する見守りカメラを私は年老いた母のために設置していました。

 

良く映るんですよ。

音声も入ってきます。

インターネットの環境は必要ですが、まあ母が動くとお知らせの音が鳴りピンポン、ピンポンと度々鳴っちゃって夜起こされることもありました。

範囲設定を変えたり、色々うまく利用出来るよう日々変更してました。

 

こたつで寝ているとか、相撲のテレビを見ているとか、みかんを食べているとか、全く姿を見せない時もある???

元気に暮らしている様子が映っていると安心していました。

 

骨折した夜の画像は、変な位置で寝転がっていて「痛い、痛い」という声が入ってきました。

夜11時でしたが、これは緊急事態と察して母の所へ向かいました。

 

私はビールを飲んでしまったので娘に運転を頼んで

車で5分程なんですけど向かった訳です。

 

動けない母。

左足は痛くて全く動かせない。

起きる事ができない。

 

救急車だね。

 

受け入れを断られること3番目の病院で受入が決まり救急車はようやく発車。

レントゲンの結果、ひだり大腿骨頸部骨折で、入院決定。

 

入院時の説明、記入する、サインする、寒いし眠いしこれでもか…。と

長い、とにかく入院が決まっても長いのよ。

 

でも、医師や看護師はもっと大変です。

動けない認知症の母を、なだめながら言い聞かせながら。

私は、おまかせするしかないので。

 

担当の整形外科の先生のお話し

  • 入院で認知機能の低下が進行する
  • 脱臼肢位が守れないと頻回の脱臼で何度も緊急受診になる
  • 認知機能低下により、リハビリが進まず、あまり歩行ができない

「手術はしない方向が良いと思われます」と

 

担当医のおっしゃることは充分理解できました。

その時の母「トイレに行きたい」

 

看護師「今行ってきたけど、なんにも出なかったでしょ」

夜中の病院で響き渡る声の繰り返し。

 

だめだこりゃ。

 

ですから、手術はしない方向での言葉に「ハイ」と返事をしました。

 

家に着いたのは午前4時30分でした。

その後、出勤すると職場のみなさんにもケアマネにも、デイサービスの管理者からも

 

「なんで手術希望しなかったの?!」

  • 94歳でも手術すれば歩けるようになるかもしれない。
  • 痛みだってなくなる。
  • このまま寝たきりでいいのか。
  • 手術して歩けなければ諦めもつく。

 

後日、担当の医師に手術をお願いしました。

内科的に、問題がなければとのことで検査をして、なんとか手術に至りました。

 

長い入院生活が始まりました。

面会はできないので、今まで朝と夕方は毎日顔を出して会っていたので突然顔を見れなくなりました。

そして今後、脱臼をしないためには畳での生活が出来なくなり車椅子が日常的に必要となるので家には帰って来れないでしょう。

 

突然、母の人生と私の人生が変わってしまいました。

高齢者の骨折は突然おとずれますね。

母のふるさとのあんずの花。