独居なので、毎日母の様子を見に行っていました。
洗濯機も使えないし、台所でお湯すら沸かせません。
電気ポットのコードはなくしてしまうし、この頃にはもう電子レンジも使えませんでした。
それでもこの時はまだ介護保険も使わずに自宅でのんびり暮らしていたのです。
しかし、事件はおきました。
昨年7月2日(土)12時ごろ母の所へ行ってみると、いつものサンダルが玄関になくて、どこにも姿がありませんでした。
この日は猛暑で36℃の気温でただ立っていても汗が出てくる猛暑と呼ばれる日でした。
近所を探してもどこにもいないので家族に連絡し、行きそうな所を手分けして探しました。
熱中症で死んでしまう。警察に連絡しよう。
警察はすぐ来てくれました。
事情を聞かれたり、部屋中開けて見たり、外を探したり物々しい雰囲気でした。
「いませんね」てなことで
各警察にも情報が周り、メール等でも行方不明者捜索の協力願いが出されました。
凄く大変な事になってる。
警察「放送で探しますか?」
私「お願いします」
警察「ご家族の方が消防署へ連絡していただく必要があります」
と言われたのかな?
えっ!
また同じような説明をしてね。もう何がなんだかわからない。
それで消防署の方も到着しました。
本人の特徴など、「髪は白髪。身長は。服装は。水色のサンダルね」
などなど、いざ放送へ。ピンポンパンポン♪~
市全体に流れる防災無線。
信じられませんよね。
自分の母親が放送で行方不明の捜索をされているなんて。
その時すでに、15時。
発見される
それから20分程でスマホに警察より連絡が入りました。
「発見されました。本人確認のため、現場に来ていただきたいですが。大丈夫ですか?」
母の家から1.5キロほど先のドラッグストアの裏で石に腰掛けていたそうです。
近所の人が発見してくれたようですが、朝10時には同じ場所に座っていたそうです。
放送を聴いて同じような人だとな思って、見にいってみたら、まだそこに座っていたので、警察に連絡をしてくれたそうです。
母は、手と足に擦り傷を作っていましたが、元気でした。しかし、熱中症の疑いもあるのでこのまま救急車で、近くの病院に行くということになりました。
生きて見つかった。みんなのおかげです。
気にかけてくださった多くの人に感謝です。
点滴して一通りの処置を済ませて傷のぬり薬を一本もらって帰宅となりました。
母は一切覚えていません。
それが認知症ですが…。
母「どこにもいってないよ。ずっと家にいたよ」
私「あのね、警察と消防と救急車のお世話になったのよ」
母「何いってるんだか、そんなことあるわけないわ」
腹が立つ。
生きていて良かったと思うのもつかの間。
さて、これからどうするんだい?
独居でいいのか?
ご近所さんに迷惑かけられないし。
とりあえず、グループホームに相談に行きました。
認知症の人を受け入れてくれる、入居型の施設です。
「ああ、あの時の行方不明の…」みんな知ってます。
知らないのは本人だけ。
そんなに甘くないです。
満床。
とりあえず、デイサービスからいかがでしょう。
というわけで、デイサービスの利用からはじまりました。
そして、門には鍵をつけ、出られないようにして日常的に見守りカメラで監視するようになりました。
独居老人の家にWi−Fiつけちゃってね。
はじめはそのカメラが人を感知すると青の電気が点滅するので、気になるらしく母はコンセントごと抜きました。
夜中にそんなことしなくていいのにさ。
その母は現在骨折で入院中してます
大腿骨の手術をし、寝たきりにはならず、手引でトイレに行ったり出来るようになりました。
でも、面会ができないので歩いている姿を見たことがありません。
さすがに94歳。
尿路感染やら、肺炎になりかけたり整形外科とは全く関係がないのに、整形外科の病棟でお世話になってます。
リハビリもやってます。
「いつもニコニコしてますよ」と看護師さん。
昼夜逆転もあるので、日中は車椅子に座ってナースステーションで仕事してるような感じでいることが多いです。
そうすると遠くから少し話ができます。
はじめの頃は「誰だかわからない」と私の事を他人を見るような目で眺めていました。
日によって違いますね。
わかってくれた時はうれしいです。
先週は、ナースステーションに姿がなく会えませんでした。
今週は会えるかな?